12月2日(土)
台南(日本統治時代の建物巡り)


            
  今日は台湾旅行の3日目で、台南から台北へ移動します。高速鉄道(高鉄、台湾新幹線)で台南発午前10時28分。高鉄の台南駅はホテルからタクシーで30分ほどのところなので、ホテル出発は午前9時半ごろの予定です。出発まで少し時間があるので、台南市内の日本統治時代の建物を見て回ることにしました。
 日本統治時代の主要な建物は湯徳章紀念公園の周辺にあるので、ざっと見ではあるが1時間ほどで回ってくることができると考えて、午前7時半にホテルを出ました。

 
 
【西華南街】
ホテルを出て成功路を西に行き、すぐに左に折れて西華南街を南に進んで行く。壁一面に何かの絵が描かれている。
【中山路】
その後、中山路を湯徳章紀念公園に向かって行く。このあたりは第1日目の夜に歩いたところです。

【旧台南公会堂】
 再び旭峯號を眺めてから民族路二段に入り、民族路二段173巷を左に折れると、右手に台南公会堂が見えてきました。
この建物は1911年に台南公館として建てられ、1923年に台南公会堂と改称されました。
現在は呉園藝文中心として一般開放されているようです。

【案内図】
正面入口右の壁に案内図が貼られていました。十八卯や呉園なども含めた”呉園藝文中心”の全体がよくわかります。(画像をクリックすると拡大されます)

【資料室】
ホールに入ると左手に資料室がありましたので入ってみます。公会堂や呉園排屋の模型などが展示されていました。

【壁の写真】
 壁に掲げられていた写真などです。意味は分かりません。

【柳屋】
 資料室を通り抜けると広場がありその向こうに日本式の建物がありました。
ここは現在十八卯茶屋として営業していますが、前身は1934年創業の料亭柳屋とのことです。

十八卯茶屋
  当時は主に公会堂に来る人たちが食事をするところだったようですが、
2012年に柳屋の”柳”を分解した十八卯茶屋”として再生されました。

【呉園】
呉園は台湾四大名園の一つとされています。以前は旧公会堂が建つところもその敷地で広大なものだったそうです。

【一杯飲み屋】
十八卯茶屋を出て、民権路二段と公園路の交差点に差しかかると写真の飲み屋の建物がありました。”居酒屋”、”酒処”とか”やきとり”と書かれた提灯がぶらさがっています。

【旧台南測候所】
 公園路を南に進んで行くと、右手の中央氣象局台湾南区氣象中心の一郭に特徴のある建物が見えてきました。
一昨日の夜に見た、鶯料理の近くにあるライトアップされていた建物で、旧台南測候所です。

胡椒管
 1898年に完成した正十八角形の建物は現存する台湾最古の気象観測施設で、
中央の塔はその形状から胡椒管の愛称で親しまれていたと言うことです。
2003年に国定古跡に指定され、2004年からは気象博物館として活用されているようです。

【国立台湾文学館】
 旧台南測候所から湯徳章紀念公園のロータリーに出て歩いて行くと、
中正路と南門路に挟まれた国立台湾文学館があります。
一昨日、夕食を食べに行くときに見たライトアップされた建物です。

【旧台南州庁】
 この建物は1916年に竣工した台南州庁の庁舎だったものです。
行政の中心だったため第二次世界大戦中に米軍の爆撃に遭って損傷を受け、主要な壁面構造しか残りませんでした。

【もとの姿に復元】
 戦後は空軍の供給司令部や台南市政府が使用しましたが、
1992年に文化建設委員会(現在の文化部)がここに国立台湾文化館と文化遺産保存研究センターを設けることとなり、
7年間に亘る修復を経て
2003年に台湾初の文学をテーマとした国立台湾文学館として開館したそうです。

【台南市消防局(旧合同庁舎)】
 中正路を挟んで国立台湾文学館と向かい合うのは台南市消防局です。
これは1938年に建てられたもので、当時は消防署と警察署の合同庁舎でした。
現在は写真のように全面的に修復中でした。

 
 【林百貨】
 昨日の午後に来ましたが、再訪です。
ロータリーから中正路を西に進んで、忠義路二段との交差点にあります。
1932年創業の建物です。

 
 【旧日本勧業銀行台南支店】
 1937年に建てられた日本勧業銀行台南支店で、これも昨日に続いて再訪です。
林百貨店の向かいにあります。現在は台湾土地銀行台南分公司として使用されています。

 
 【亭仔脚】
 道路に面している面には”亭仔脚”と呼ばれる日差しや雨をしのぐための通路(アーケード)が設けられています。
台北で見た台博館土銀展示館(旧日本勧業銀行台北支店)と同じ構造です。

 
【葉石涛文学紀念館(旧台南山林事務所)】
忠義路二段を南下し、友愛街を東に行くと左手に葉石涛文学紀念館があります。
これは1925年に建てられた台南山林事務所だったそうです。

 
【武徳殿】
 葉石涛文学紀念館の南側に、1936年完成の武徳殿があります。
正面玄関は南側にありますので友愛街から回り込んで行く必要があります。
日本統治時代は武道場でしたが、現在は小学校の講堂として使われています。

 
【旧台南警察署】
 友愛街を西に行き、忠義路二段との交差点まで来ると台南警察局だった建物があります。
これは1931年に台南警察署として建てられたもので、戦後も警察の建物として使われていましたが、
2010年に警察署が移転したあと台南市美術館として改装中で、2018年に開館する予定のようです。

【旧嘉南大圳組合事務所】
 友愛街を挟んで旧台南警察署と向かい合う建物は旧嘉南大圳組合事務所です。
1940年に嘉義市から移って来たそうです。
八田與一もここで仕事をしたのでしょうか。
この建物も、上の警察署の建物と併せて美術館別館として生まれ変わることになるようです。


【孔子廟】
 旧台南山林事務所から旧嘉南大圳組合事務所までの友愛街に沿った建物は、
いずれも昨日訪れた孔子廟の近くにあります。
さて、時刻も8時20分を回りましたので急ぎ足でホテルに戻ることにします。


【台鉄台南駅】
 最後に、ホテルの前の台南駅駅舎は1936年に建てられた2階建ての建築物です。
なお、駅舎前のロータリに建つ銅像は鄭成功らしいです。
以上、急ぎ足だったが、日本統治時代の主要な建物を短時間で回ってきました。
いずれも建設当時のものを修復し大切に使っている状況を見て大変感動しました。
これからも日本の遺産を末永く保存されて行くことを祈念します。

     

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